皆さんこんにちは。春一番が吹き、暖かくなるかと思いきや、また寒くなったり。
ウイルスも騒がれる中、健康管理には気をつけたいですね。
さて、この4月1日から派遣法改正で「同一労働同一賃金」が施行されることについては以前に書きました。その後「労使協定方式」と「均等・均衡方式」いずれを企業が選択することになったでしょうか?
あれから数か月が経過し、各派遣元企業が労使協定方式か、均等・均衡方式を採用するかを派遣先企業と協議し、決定を迫られる時期となりました。
そんな悩ましい時期に差し掛かった派遣元企業と派遣先企業ですが、現状はどうなっているかを今回は一派遣元企業として働く第一線の知人から得た情報を元に実態を述べたいと思います。
目次
派遣法改正で均等・均衡方式を選択のメリット、デメリットは?
1.現状はというと
派遣先企業から、アンケートという形で方針を提出し、その多数が労使協定方式を採用するという結果から労使協定方式に決定するという企業も多く出ています。o
この場合は4月1日施行前に新たな賃金体系を協議して折り合いをつけて、新たな契約を締結する運びとなります。
この労使協定方式は前回の記事にも書いたように多数の派遣先企業が、採用するであろうということは容易に推測がつきました。
しかし、そんな推測をよそに、「均等・均衡方式」を採用する企業が出てきました。
2.なぜ「均等・均衡方式」を選んだのか?
自社の雇用形態や待遇などを派遣元企業や、派遣労働者に示さなければならなくなる「均等・均衡方式」を選ぶ派遣先企業の思惑とは何でしょう。
企業の本音として「できるだけ安く人を使いたい」これが全てです。では、どうすれば賃金を安くまとめられるか。
自社の現場では正社員はおらず、パートでまかなっている、そしてそのパートは最低賃金で働いているから、同じ賃金で雇用したいと。
つまり、国が定める最低賃金しか払いたくないというわけです。
3.メリット・デメリットは?
派遣元企業は派遣先企業に対し、労使協定方式を採用するか、均等均衡方式を採用するか交渉できるわけですが、現状派遣先企業が均等均衡方式を採用すると伝えてくるケースも多いです。
これは主導権を自社におき、交渉を優位にすすめたいということの表れと思います。なるたけ、現状維持の賃金で雇用できるようにしたいということです。
ただ、派遣会社が、派遣社員に対して運営費(マージン、退職金、交通費、ベースアップ等)を見込んだ金額を提示した場合に交渉決裂となり取引継続とならない場合も発生します。
こう考えると、労使協定方式を採用しようが、均等均衡方式を採用しようが、単なる手続き上の違いだけで面倒な手続きというのが当事者の本音ではないでしょうか。
結局、派遣先企業、派遣元企業、派遣社員のメリット・デメリットはざっと下記のようになります。
・派遣先企業のメリット
自社での状況に合わせて賃金体系を提示できること。ただし、これは虚偽であることは許されません。
・派遣企業のデメリット
現状の自社の内部情報を一部外に開示することになることと、賃金の比較対象者を選定することが容易ではない。
・派遣元企業のメリット
特になし。
・派遣元企業のデメリット
提示された賃金等が見合わないものであれば、賃金をアップする交渉をしなければならず、折り合いをつけなければならないため、かなりの労力と時間を要する。これは労使協定方式を採用して場合も同じ。
まとめ
以上の議論から、何を皆さんが感じられますでしょうか。派遣社員のメリット、デメリットはあえて述べませんでしたが、
そうです、大事な働く人が蚊帳の外ということです!
極論を言えば一番大事な働く人の待遇のことなどかまってられない、その現場担当者も正に働く人です。自分たちの身を守ることが最優先となって当たり前ですね。
派遣という制度そのものの存続が危ぶまれる時期に突入したと言えるのではないでしょうか。