ヨガと聞くとなにやら難しいポーズをしている姿を思い浮かべますが、実際にはヨガの一部であり、より良い瞑想に入るための心身調整法です。
私がヨガを知ったのは故藤本憲幸氏の著書「知られざる健康法」を手に取ったときからです。氏は病弱で20才までしか生きられないという宣告を受けたことをきっかけにヨガの道を歩み、健康を取り戻したことは勿論、超人的な能力も開花させました。
ヨガのインストラクターや記憶術の大家とまで言われるようになり、テレビ出演やラジオ番組などメディアにも多く顔を出し、著名人との交流も盛んで、まさにヨガをきっかけとして人生を謳歌した人としも有名です。
今ではよく目にする「ホットヨガ」や「岩盤ホットヨガ」などいろいろなヨガがありますが、日常生活の中でちょっとした工夫でできるヨガをまとめてみました。今年の酷暑を乗り切るために簡単にできるエクササイズのみをチョイスしましたので試してみてください。
手軽にできるヨガ
1.安楽座のポーズによる瞑想
何やら瞑想というと難しくとらえがちですが、そんなことはありません。とかく心配事や嫌なこと、面倒なこと、気がかりなことなどなど、いろいろあるでしょうが、まずは安楽座という姿勢をとり、目を閉じるか、前を見てゆったりと呼吸をするだけです。
あぐらをかいたすわり方です。膝の上に手のひらを上にしてひとさし指と親指をくっつけて両ひざの上にのせます。
何はともあれ、すべて忘れてゆったりと鼻呼吸をして、呼吸のみに意識を集中してください。気持ちが落ち着くこと受け合いです。
2.英雄のポーズでたくましく
いつも緊張気味で、ストレスの多い現代社会ですが、たまにはいい意味で図太く、大胆に肚をすえてことにあたることも必要ですね。そんな精神を強くし、体幹を鍛えられるこのポーズは最適です。簡単ですが、割と自分の身体全体を感じられます。
3.コブラのポーズで前向きに
丸まった 背骨を真っすぐ伸ばして、普段猫背や姿勢の悪い人は特に試してみることをお勧めします。夏の湿度の高い環境が引き起こすだるさから解放され、積極的な心になれることが期待できます。
4.立木のポーズにチャレンジ
このポーズはその名の通り、立木に似たポーズです。バランスが必要なので、やってみるとなかなか難しい人もいるかと思います。目は一点先を見つめ、おなかのあたりを中心に、お尻や脚を引き締めバランスをとります。スタイルの維持にも効果が期待できます。チャレンジしてみてください。
5.とても大事なことのまとめ
簡単な瞑想、エクササイズを紹介しました。今回は呼吸法など特に細かいことは抜きで紹介しています。苦しくない自然の呼吸で行っていただければ結構です。ただ、とても重要なことがあります。それは実行するということです。当たり前のようですが、なかなかできるようでできません。
日々の仕事に追われたり、家事に追われたり、あれこれと人のことを気遣ったり、いろいろなことが頭をめぐっていると思います。そんな中で、私の経験では、かなり昔ですが、あのスプーン曲げ、超能力ブームで話題になったユリ・ゲラーの著書に書いてあった一節がとても心に残っています。
「何か心配事や、気になることがあったとしても、そのことをまずは横に置いておく。そして何か別のことをすることが大事」表現や言い回しは正確でないと思いますが、なるほど、現代人は何か心にひっかかることや、気になることが絶えず頭の中(心の中)にどっかりと腰を据えています。
それをあえて全くなきもののように横に置いておき、別のことに取り掛かる。終わったら、また蘇ってくるでしょうからわざわざ思い出す必要もないですね。これは何か欲望などにも置き換えることもできますね。
何かに集中するためには、心を空っぽにしてそのことに集中することがとても大切であることは皆さんも経験則からわかっていると思います。もし何かにとらわれてしまってなかなか集中できない場合はその妨げになる"心の荷物"を横に置いてみてください。
これは心身統一法の大家である中村天風氏が、大病を患い、その昔インドの大聖者カリアッパとともにインドの山奥に同行したのですが、なかなか教えてもらえない焦りで、聞いたところ、準備ができていないから教えられないと言われたといいます。
それは心の中にまさに、茶碗に水が一杯に入っている状態(他のことを思う雑念で一杯の状態)を見透かされ、心を空っぽにしろと言われたことです。これはまさにユリの言うところの雑念を横に置いておくという行為と全く同じだと思います。
やらないことには何も感じることもできませんし、新しい発見もありません。多忙の時こそ、心を空っぽにして、ヨガを通じて自分の身体と心と少しでも対話しながら、暑い夏を乗り切ってくださいね。